tkmovの日記

日頃の技術的覚え書き XL700V、NC750Xなど

ワイヤレス充電付スマホマウンタ

QUAD LOCKバイクマウンタにワイヤレス充電器のコイルを組込んで、充電機能付きマウンタを自作してみました。QUAD LOCKを取り付けた際に思いついていた宿題です。
スマホマウンタ(QUAD LOCK) その2 - tkmovの日記

昔ワイヤレス充電器付のスマホホルダを買っては見たけど、スマホ側の充電位置決めが難しいのと、ホルダ自体が嵩張るので断念したんですけど、QUAD LOCKなら小さいし、位置決めもスマホの中心に固定されるので好都合。
まずは駆動回路基板を取り出してプラ板で適当なケースを自作(オリジナルの充電器は車用で防水対策が無かったですからね)。
コイルはQUAD LOCKのマウンタに合わせて加工したアクリル板に、別買いしたフェライト板(1インチ角×2t)を4枚張付けて、その上にエナメル線(φ1mm)を8回巻。

オリジナルの充電器のコイルは10回巻でしたが、スマホマウンタに合わせると少しコイル径が大きくなってインピーダンスが増えるはずなので、巻き数はこころもち少なめに。円環コイルのインピーダンス式で計算すると5回巻で同インピーダンスなのですが、コイル中心部はマウンタのせいでフェライトが入らず透磁率が何割か低いので、かわりに巻線を少し増やすとして、フェライトの寸法からして10回までは巻けないので8回にした次第。実際、5回巻だと磁気結合が低いようで1分ぐらいで充電が止まってしまったし、7回以上だと安定するようです。いずれにせよかなり適当です。
(最初はインピーダンスを合わせるべく色々計算してみましたが、Wireless Power consortiumのReference Design をみてもそうですが、結局、磁気結合するために寸法と巻線数がポイントなのかも)

そんなこんなで、マウンタ(コイル付)と駆動回路をつないで出来上がり。駆動回路はかなり発熱するので充電コイルとは別置きにして、蓋は放熱を兼ねてアルミにしてあります。

先日付けたマウンタの代わりにトランザルプに取り付けたところ。QUAD LOCKマウンタは両面テープで金具に取付けるのですが、金具の接着面積が小さいので中心のビス穴を使ってビスで補強しています。磁気結合に影響するかと心配しましたが磁気中心だからか、大勢に影響はなさそう。

充電性能は下記のとおり。

  • ACアダプタ使用時  充電率65→71%/19min : 0.32%/min
  • バイク取付時    充電率60→69%/42min : 0.21%/min

バイク取付時だと試作段階より少し遅く100%充電に約8時間かかる計算、これはバイクのUSB電源の給電能力のせいかも。ちなみに家で使っているワイヤレス充電器では0.26%/minなので、それほど悪いというものでもなさそうだし、本気で充電するときはケーブルを繋ぐので、まあこんなものでしょう。

実機での心配事は振動による故障と発熱。ワイヤレス充電器の発熱は結構大きくて、日射下で使用するとすぐにスマホが温度高で止まってしまいます(タンクバックのマップケースの所だと瞬殺だし、バックの中でも厳しい)。解決策は給電コイルと駆動回路を分けるしかないのですが、普通は一体化されているので自作するしかないのです。
今回はカウルの内側で日射を避けてアルミで放熱しているのですが、夏に向けてどこまでもちますものやら。