tkmovの日記

日頃の技術的覚え書き XL700V、NC750Xなど

映画 杉原千畝

今日は出先で思わず時間が余ったので、近くのシネコンで「杉原千畝」を鑑賞。(以下、感想に関連して映画シーンの描写あり)


この人を最初に知ったのはヒレル・レビン著「千畝」。この本にはヨーロッパ赴任前に結構、対ソ工作に従事していたと書いてあったけど、日本で取り上げられるドラマ等ではリトアニア領事時代のビザ発給しか取り上げられないのが、少々不満でした。
今日見た映画では満州時代やリトアニア後の経過も描かれていて、そういう点では少しスッキリした感じ。
主題としては「見返りを求めず、今最善と思えることを」という事だと思うのですが、もう一つは、それまでのインテリジェンスという国家大計に資する役目と、ユダヤ人を助けるというおよそ個人的な人助けの対比を描くことだったのかなと思います。  でもレビンの伝記からは、そういう感傷的な印象はあまり受けませんでしたが。
ミリタリーな人にとってはリトアニアの港を封鎖する独戦艦とか、リトアニアに侵攻する二号戦車とか、その傍に放置されたソ連軍軽装甲車とか、いろいろ気になるアイテムが出てきます(私には型名とか分かりませんが)。
気になったのは、独軍の残忍さとソ連兵のいやらしさ。この時代のユダヤ人の受難を考えれば、両者をこの様に描くことになるのでしょうが、その間で活躍する日本人という感じで少々面映ゆい。
会話は日本人同士では日本語、その他国人との会話は(ドイツ人、ロシア人外交官も含めて)基本的に英語なのですが、ユダヤ人を惨殺するドイツ兵とか列車を強奪するソ連兵のシーンではドイツ語、ロシア語が使われる。この言語の切り替えで感情移入の濃淡をつけているのかもしれません。まあ、単に私が(片言ながら)英語しか解せないというだけなのかもしれませんが。
しかし実際に杉原氏はリトアニアで何語で話していたのだろうか。バーのシーンではリトアニア語が出来ず、ロシア語を使うと悪態をつかれていたし、案外英語だったのだろうか。